地球温暖化対策は世界の共通課題であり、わが国においてもCO2を大幅に削減して、「低炭素社会」を早期に実現する必要に迫られております。
同時に、原油の高騰にともなう燃料費の高騰も世界的な問題であり、A重油をはじめとする化石燃料を使用するボイラー利用施設などにおいては、大きな経済負担を強いられている現実があります。
エマルジョン燃料は、燃料費やCO2排出量を削減するとともに、NOxやSOxといった大気汚染物質の排出量まで削減できる燃料として注目されていましたが、従来の燃料および燃料製造装置にはいくつもの課題がありました。「製造してすぐに水と油に分離してしまう」「着火しにくい」という、燃料としては致命的な課題も抱えており、「エマルジョン燃料の実用化は難しい」というイメージを持たれるまでになってしまいました。
従来の課題を認識しつつも、エマルジョン燃料の可能性を確信していた当社では、これらの課題を解決すべく独自開発を行いました。その結果、独自の超音波装置や添加剤(界面活性剤)の導入によって、微細化したエマルジョン粒子の形状均一化、かつベースオイル中への均一分散を実現させた、「AITエマルジョン燃料製造装置」の実用化に至りました。
おかげさまで、徐々にではありますがボイラー利用施設に導入されるに至り、従来の課題を解決した装置および燃料にお喜びいただいております。化石燃料を使用されている事業者の皆様の負担を少しでも軽くし、地球環境保全にも貢献できるよう努力していく所存でございます。
株式会社エーアイティー
代表取締役 鈴木健二
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略歴
古河鉱業株式会社に入社後、電子材料部長兼日野研究所長、古河鉱業株式会社取締役を務める。
東京大学工学部総合試験所受託研究員、科学技術庁(当時)資源調査会専門委員、日本鉱業会超微粒子酸化物研究会委員、日本砒素研究会理事、新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)評価委員、経済産業省事前評価委員などを歴任。
受賞
- 科学技術長官賞(高純度ガリウム砒素の開発)
- 紫綬褒章(高純度金属砒素の量産化)
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略歴
京都大学大学院光学研究科繊維化学専攻修士課程修了、京都大学助手(櫻田研究室、工学部高分子化学教室)を務める。
帝人株式会社を経て京セラ株式会社入社、取締役総合技術本部長を務めたのち、京セラDDI未来通信研究所 代表取締役社長、KDDI研究所 代表取締役副所長などを歴任。